大塚Shisui deuxで開催していた写真展が終了いたしました。ご来場の皆様、ありがとうございました!
レストランでは毎週のように色々なイベントが開催されており、多くの方に見て楽しんで頂けたようで、私もとっても嬉しいです。
今回の展示は会場がイタリアンレストランということで、イタリアで撮影した写真を「ドロミテ編」「ヴェネツィア編」の2つに分けて展示しました。雄大なドロミテの山々の風景と、歴史を感じる美しい水の都ヴェネツィア、「イタリア展」としてまとめるには極端かなとは思いましたが、皆さんのやりたいを叶える「Shisui deux」は、お店の半分がショースペースにもなっており、その2つもうまいことハマりました。



来られなかった方や、気に入った作品があったからぜひお店や家に飾りたい、という方に向けて、オンラインギャラリーという形にしてこちらに展示いたします。
作品はA3サイズ額装で30,000円税別+送料で販売しております。
※以下掲載の写真の中のキャプションはプリントには入りません。
ドロミテ編
1 枚の写真からずっと行きたいと思っていたドロミテ国立公園。
端から端までは車で6 時間以上はかかる壮大なエリアだ。眼につ
く白い壁はどれも登れるものばかりで、クライマーにとっては天
国のような場所だ。しかし、到着初日に一緒に登るはずだった仲
間と喧嘩別れすることになった。突然に私の1 人海外が始まった。
気分は晴れないが、天気もいい、山も目の前にある、そんな環
境で何もしないなんて、もったいなくてできない。歩けば気も紛
れるもので、滞在中は日の出から日の入りまでとにかく歩き続け
た。そうしたらたくさんの素晴らしい景色に出会えた。私は動き
続けて「そこにいること」を大事したい人なんだと思った。
初めての海外のトレッキングは、日本との違いに戸惑ったり、
山頂で飲み水がなくなったり、遠くの雷に怯えたり、孤独を感じ
たり、楽しいだけの思い出じゃないけど、その何かを感じるって
ことが旅の醍醐味なのではないだろうか。

動けば見える世界は変わる
そこでしか見えない景色がある

滞在残り半分になって地図を買った
線を描く楽しさは世界共通だった

嫌なことがあっても
山は否応なく道を指し示してくれる

壁を超えたらまた壁がある
身体でも感じる圧倒的スケール

道はあっても続いてない時もある
この日は道なき道を行きました

壁を超えたらまた壁がある
身体でも感じる圧倒的スケール

一人の時 雷を怖いと思うのは
止まらない想像力のせいだ
ヴェネツィア編
ドロミテから空港経由ヴェネツィア行きのバスは、途中で乗継
迷子になり、まず辿り着けるのかドキドキだった。貧乏旅で予約
した最安宿も改めて口コミを見ると評価は1.3。女性は絶対1 人
で泊まるな、とか書いてあり、ますます不安になる。サイトに書
いてある住所も違うし、同じ場所をぐるぐる歩き、私の思考もぐ
るぐる回る。結果としてはいい宿だったけど、古い建物だからか
入り口の鍵を開けるのに1 時間以上格闘したのは、今は笑い話。
美しい水の都は、車は乗り入れ禁止で文字通りの水上都市。バ
スもタクシーもパトカーもゴミ収集車も全部船。まるで異世界に
きた気分。そんな街の広場にある、世界最古のカフェで、ここが
発祥のカフェラテを頂く。300 年前にもここで誰かがこのカフェ
ラテを飲んだのかな。この景色はどれくらい変わったのだろうか。
タイムスリップした気分も、猫の姿を見たら実は遠いも近いもそ
んな変わらないのかも、なんて思ったりもした。

ようやくヴェネツィアに着いた
と思う間もないバスと宿問題

パトカーやゴミ収集も船なんて
車がないだけで世界はこんな非日常に

どこにいても変わらないネコに
遠くを近くに感じる

私たち人間の不便の一部は
飛べる鳥には無関係な話?

世界最古のカフェでカフェラテ
300 年前って何してたっけ?

ドアを見ると思い出す
開かない宿の鍵と立ち尽くす私

先の見えない路地
旅は行き先が決まってない方がいい

